「自らVUCAを作り出し続けてきた男」~Doingの背景のBeingを探る~「キャリクラ酒場」vol.10


2019年の夏に始まった、Career Climbing~大人のためのキャリアの学校~のカジュアル版、リアリティ追及企画、「キャリクラ酒場」。


当然最初はリアルでやっていたのですが、コロナ禍でも負けずにオンライン開催へと移行し、この度とうとう10回目を迎えました。


記念すべき10回目のゲストはこの方、高松 健司さん。

「あら、優しそうなオジサマ♡」


・・・そう思うでしょう?私もそう思ったんです。


実際、人への愛情に溢れた、とても優しい方です。

でもただの優しいオジサマではありません。

そんな方は、この「キャリクラ酒場」には登場しません!


どんな方かというと・・・


■HR分野、特に雇用調整、再就職支援を約26年間経験

■労務リスクを低減しながら、人件費のコストダウンを図るコンサルティングの営業・企画・提案ならびに実施

■希望退職、事業所閉鎖、事業譲渡の際の社内コミュニケーション、コンサルティング

■各種実績

・合意退職、在籍者の再就職支援実績 約10,000人

・合併による人員削減 6件

・工場・事業所閉鎖による人員削減 40ケ所

・事業譲渡による人員の削減 11件

・会社分割による人員削減 10件

・事業清算 13件

・希望退職制度の実施 42件

・早期退職制度の実施 55件

・M&Aの「人のDue Diligence」3件

・企業内に常駐しての、対象者とのキャリア相談 約1,500名



雇用調整、再就職、閉鎖、譲渡、人員削減、事業清算・・・

こんなに激しい言葉が並ぶプロフィールも珍しい。


では、高松さんご自身は、どの様なキャリアを歩まれてきたのでしょうか?


簡単なプロフィールシートの作成をお願いしたら、こちらが出てきました。

度重なる転職、こちらも激しい・・・。

これは到底1回では終わらないなーと、今回の「キャリクラ酒場」は前編・後編の2回で開催をさせて頂くことを即決しました。



それぞれの転職のきっかけを伺うと、

「嫌だったから」

「もっと新しいことをやりたくなったから」

「上手く行かなくなったから」

と、実にご自身の本能に忠実なお答え。


セブンイレブンの店舗経営を辞めた後は、無職を3か月も経験。 

「お金が無くて、ただひたすら出ていくだけ。家に居場所が無い。昼間は他の人は働いているので会えない、夜はお金が無いので会えない。友達に電話をかけると『金を借りたいのか?』と言われてホントに死のうかと思いました」


それでも、高松さんは言い切ります。

「不安よりも、嫌なものは嫌。嫌な環境で我慢したくないんです」

「なんでも自分で決めたい。ドライブでも、ナビで指図をされるのは嫌いです」


1995年のサリン事件では現場近くに居合わせたことからも、2011年の東日本大震災からも、「一つ間違えば死んでいたかもしれない、明日はあるかわからないものなんだ」

と思い、その志向を一層強くします。


そもそも変わること自体が愉しい。迷ったら楽しい方に行く。

次に成功するか否かなんて考えない。失敗してもそこから学べば良い。

ピンチはチャンス・・・


つまり、高松さんはVUCAではない時代から、自らVUCAな環境を生み出し、身を置き続けていらしたんですね。


高松さんの同世代では、一社で勤め上げ、ある種金太郎飴の様な没個性の組織人となり、その代償に自分らしさを何処かに見失い、引退後の居場所探しに苦労している人も少なくありません。


でも高松さんは、部厚く多彩なご苦労を自らの武器として積み重ね、その中で強烈な個性をも着々と磨きあげて来られました。


中でも一番大きな財産となった経験は、1996年、日本能率協会の企業内起業家としてJMAMチェンジコンサルティング社を立ち上げたこと。

日本では初めて、アウトプレースメント(企業の人員を削減し、再生を図る)事業を行う会社を作ったのです。しかもこの事業では、それまでの人員削減の慣例では出来ていなかった、退社させる人のフォローとして、金銭支援と転職支援を徹底的に行います。

「泥棒に老い銭だ、そこまでする必要があるのか?」

とも言われましたが、本当に会社を再生させるには、そこまでやらないとダメだという強い信念の下、事業を推進。

経営・人事サイドに立って経営方針として人員整理をしていく仕事は、普通なら辛くてハードな仕事。だから誰もやりたがりません。でも、だからこそビジネスになる。

日本にこれまで無かった事業なので、国税に怪しまれたり、首切り屋としてニュースに出たりしながら、企業の裏口から沢山の方のキャリアを見つめてきました。


現在は企業のチェンジ・エージェンシーとして複数社から業務委託をされ、個人事業主として自分の好きなペースでお仕事をされています。

目指していることは課題解決と組織変革。転職支援はあくまで手段。


しかも高松さんは、その転職支援を冷徹に、ドライに遂行するのではなく、自らの経験をベースに、ポジティブな希望を持たせて未来につながるビジョンを一緒に見出し、次のキャリアへと送り出すのです。


「日本人はよく『お変わりありませんか?』というが、変わらないのが良いことなのでしょうか?」

「本当に優秀な人は、諦めが早い人、とも言われます。ダメだったら頑張るのは無駄」

「もう今は、一社だけだと、価値観が一つだけだからと敬遠される時代です」

「同質化してしまったら市場価値は低くなる。他人との違いが価値。人と違うことをどれだけ面白がれるか?」

「仕事をする前から『できない』という人はマネージャーとしての資格がない」

「6ヶ月以内に戻ってきたらもう一度紹介する。一回失敗した人の方がうまくいく」


次から次に繰り出される名言に、「キャリクラ酒場」の参加者は圧倒されっぱなし。

そして、高松さんの言葉からは、それぞれの人が持つ可能性を信じる、引き出す、強い力と暖かい愛情を感じます。



2回に分けても、ダイジェスト版で終わってしまった様な今回の「キャリクラ酒場」。

参加者からは、いつも以上に熱の籠った感想が寄せられました。


「改めて日本の学歴偏重の社会は人材をいかに無駄遣いしているかということがよくわかりました。どんな課題も、ありたい姿と現状のギャップを埋めることがソリューションで、そこに大学時代に習ったことを活かしてる人なんて滅多にいないし、私自身を振り返ってもそうです。むしろそこで役立ったのは、社内外で積み上げてきた経験や人間関係、マインドでした。そう思うと、高松さんのようなすごいキャリアとまで行かなくても、誰しも置かれた場所で咲ける能力をちゃんと持っていて、それを認識できていないだけで、認識→棚卸しできた人がキャリア的に自立した人になっていけるのだな、と思いました」


「僕が考えている以上にもっと働き方って自由なんだなと思いました。そして、子どものことをあんなに楽しそうに話せるお父さんになりたいと思いました。ありがとうございました」


「問題解決能力、『わからないけど面白そう』というポジティブな心、挑戦する心といってもいい、があると自ら行動に出ることができると思いました。好むと好まざるとにかかわらず、未経験の世界に放り込まれた時もありますが、自分なりの工夫で『これ…、いけるかも?』と自分の順応性に気づくこともありますね。そんなことを思いました」


「その人のことを思って、その人の未来のために最適なことを伝えるのは、簡単ではないです。やはり、あのネガティブな空間にいたくないですし、その瞬間相手にどう思われるかも考えてしまうので、結局相手にとってというよりは、自分にとって最適な選択をしてしまうこともしばしばあります。高松さんのお話は、リアルで事実。そして、直接会えばわかりますが愛にあふれています。私もそうありたいですが、まだまだ修行が足りません。またお話を聞かせて下さい」

しかも。

参加者の内何名かは、別途個人的に高松さんのところに相談に行きたい・・・と意思表明。

何を隠そう、キャリア・コンサルタント13年目の私も、自分のセカンド・キャリアの相談をしてみたいなーと思いましたよ!

高松さん、参加して下さった皆さん、濃厚な夜をご一緒させて頂き、有難うございました!

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