「人生は娯楽!と喝破する男」~Doingの背景のBeingを探る~「キャリクラ酒場」vol.6


ついに、この方のキャリアをオープンに語って頂く日が来ました。

味の素㈱にお勤めの、宇治弘晃さん。


勿論、宇治さんは既に色々な場面でお話をされている訳なんですけれど・・・

私自身が同じ社内のアウトロー同志的舎弟として、そしてキャリア・コンサルタントとして、10年以上横で見させて頂いた立場で解説を出来る喜び、楽しみを味わいましたよ。


でも、気合入れて書き出したら記事がトイレットペーパーみたいに長くなっちゃうんで、ちょっとだけ、かいつまんでね。


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宇治さんは、1986年 に味の素㈱に入社。海外で仕事がでしたくて、グローバルに事業展開をしている会社をアレコレ受けたけれども、自分を飾らな過ぎて・・・いや、むしろ態度がふてぶてし過ぎて、1勝14敗で唯一受かったのが味の素㈱でした。

営業でキャリアをスタートして、今年で勤続35年目。

途中、国内で仕事をしたこともあるけれど・・・印象に残るのはベトナム、インド、エジプトの3か国における、計17年の事業立ち上げ、行商のキャリアです。


その間、遭遇したトラブルは

・販売店の2階で偽物を作っている現場に踏み入れたところ、鉈を振り上げられ追われて逃げる。

・地方デポ初日OJTで運転手が自転車をはね被害者重体。一人だけ1週間警察に軟禁される。

・弁護士事務所のマッチポンプで、偽の労働基準監督署員が訪ねてきて賄賂を騙し取られる。

・・・と挙げたらキリがなく、エジプトでは2011年の「アラブの春」、 2013年の政変、2015年のテロも経験しています。



宇治さんはこんなにハードな経験をしているのに、「仕事は娯楽」と喝破しちゃいます。


マーケティング理論など何処かに吹っ飛んでしまう「現場」で問われるのはまず、人間力、全人格性。

これって、私がよくキャリア漫談で使うこの図の中の、船の部分が如何に問われるか、ということの好例。スキルの前に、人としての根底が問われちゃう訳です。


宇治さんは、持前の剛毛の生えた心臓、瞬時に全開(というかそもそも閉じたことが無い)のオープンスタンス、サービス精神旺盛なパフォーマンスで各国の市井の方達のハートを掴み、ゴリゴリ売る。

だから、現地のスタッフに尊敬される。

だから、ほんのちょっとずつでも、確実に歩みを進めることができる。

そして、いずれの国でも予算は十分に無く、お金がないからこそ知恵や工夫が必要。

そこにまた楽しみが生まれる。

何処かの代理店やらコンサルやらに任せず、何でも自分で考えて自分でやり遂げる面白さ。まさに、試行錯誤も娯楽。


宇治さんが17年の海外経験から学んだことは・・・


●数々のその国に住まわせてもらっていることを忘れない

→信頼できる現地スタッフを見つける。(しかし深入りしない)

●トラブルに巻き込まれたら泣き寝入りするしかない。

→だからPrecaution(予防)に全力を注ぐ

● モノゴトは進まない。でも遅々として進む。

→成果を焦らない。日本の時間感覚は絶対ではない。

● 国・人・文化を好きになる。でも無理しない。

●心身を健康に保つことがもっとも大切。

● 言いたかったけど決して口にしなかったひと言「じゃあお前やってみろ」

→ トラブルを乗り越えないと見えない地平もある。


これらのキャリアを経ながら、宇治さんは社内で0→1が出来る人財として自分の確固たるポジションを築き、治外法権を手にしていくようになりました。


ちなみにこちらは、エジプト時代に出された東洋経済の記事。

こちらはJETROの記事。


そして今、『中央公論』では、黒木亮さんによるノンフィクション「地球行商人 味の素グリーンベレー」が連載され、宇治さんの様な猛者たちが次々に登場しています。

今回のキャリクラ酒場の参加者からは、


「まるで芸人のお話を聞いてるレベルのエンタメ感でした!人のエモーションが周りに影響を与える過程が目に見えるようにでした!」

「どんなに大変でもやるべき事をやりたい事に昇華させてしまう。そのマインドは最強です!人生は楽しまないと!仕事は娯楽だ!しまいには、『自分が娯楽だ!』と言い切る宇治さんは輝いてました^_^」

「転職せずとも価値観の合う働き方ができる環境を探す(自ら作り出す)行動力には驚きでした。楽しい・好きな仕事を探すのではなく、仕事は娯楽と言い切り全てを『楽しくする』という考え方、『どう仕事と向き合うか』は、『どんな会社』や、『どんな仕事』とは、別にあるものだなと改めて実感しました。」


などの感想を頂きました。


組織に居続けても、全人格性を発揮することで、自分の個性を活かし、差別化を図り、唯一無二のキャリアを築くことができる。

そんな事例として、私もいつもその背中を楽しく見させて頂いとります。


あ、そうそう。宇治さんはいつも「ワークライフバランスなんて、俺はどうでもいいんだ!」なんておっしゃいますが・・・「心身を健康に保つことがもっとも大切」ということで、「人生も娯楽」的に謳歌しまくっているこのお姿。

これって、ワークライフバランス以外の何物でもないと思うんですけどねぇー。ふふふ。

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