「あえて、居心地の良さを蹴飛ばす男」~Doingの背景のBeingを探る~「キャリクラ酒場」vol.4
2019年夏にスタートした、~Doingの背景のBeingを探る~「キャリクラ酒場」。
100人居れば100通りのキャリア、面白いキャリアの人は世の中に沢山居るよね!・・・
と順調に第3弾まで進んで、さぁ次!と思っていたらコロナ禍に突入。
「やっぱりリアルに会わないと、あの根ほり葉ほりは難しいかもかも・・・」
「そもそも、不要不急の会合だし・・・」
とモジモジしている間にあっという間に前回の開催から1年が過ぎ。
その一方、全然PRをしていないのに、このCareer ClimbingのHPやfacebookグループページを訪れる人がそれなりに居て、これだけのパラダイムシフトが起きている中で、キャリアを考え直す人が増えていることを実感。
そこで、
「やっぱり、今だからこそ、やろうか?」
「うん!やろう!」
とキャリクラ酒場を再開することを決めたのでした。
第4弾で根ほり葉ほり聞かれるのは、前回の第3弾の時、自ら立候補された幸田 泰尚さん。
囲むメンバーは、皆さんからのご要望もあり、第3弾の時と同じ顔ぶれです。
今回、インタビューはリアルで、他の参加者はオンライン参加で、とハイブリッド型で開催。
「あの山中さんのキャリクラ酒場に参加した時は、とっても自分に自信が無くなっていて、これでいいんだろうか、と自問自答していた時で。でも、山中さんの話に沢山刺激を受けて、また進み始めることが出来たんですよね」
と感涙の感想から始めてくれました。
ううう、やってて良かった、キャリクラ酒場。
幸田さんは、建築系のお仕事 → リクルートにて0→1系のお仕事 → Crowd Realty(クラウドリアルティ、不動産に特化した投資型クラウドファンディング)の役員・・・とユニークなキャリア履歴をお持ちです。
幸田さんは、このコロナ禍で働き方やマインドはどう変わりましたか?
「いや~、こんな言い方をするといけないんですが、コロナ禍には感謝しています。コロナ禍が無かったら遂げられない進化をすることが出来たと思っています。」
「例えば、今までは何でも自分が率先してやらないといけない、と思って実際やっていたんですが、それでは限界があると悟って。まずは自分が部下や仲間に伝えておきたいことをグワーッとパワーポイントにまとめて、それをシェアしてみました。後は、とにかく任せる。結局、自分で考えて、自分で行動できる人を増やさないといけないから。」
「そしたら、自然に仲間同士の学び合いが始まったんです。それぞれの専門を学び合うことで、組織全体で仕事の質を上げることができる様になった。そしてこれまで、自立した人の集まりであったが故に、人と人の間に距離があったものが、少しずつ埋まり始めた。組織の温度が上がってきたことを感じています。」
「それから、一緒に働いている仲間と1on1の面談を増やしました。過去のキャリア、強み、やりたいと思っていること・・・とにかく彼らの話を聴くことに徹しています。聴くことを通じて、改めて、今まで仲間のことをちゃんと知らなかったんだなぁ、勿体ないことをしていたなぁ、と反省しました」
「あとは・・・家族の時間が増えました。今まで、余りにワーカホリックで、外に、旅に出ないと仕事ができない、と思ってひたすら動いていたんです。それがコロナ禍で出来なくなって、妻や子どもと向き合って一緒にユックリ食事をすることが出来る様になって。今まで、家族をいかに疎かにしていたんだろうって。人間らしい生活っていいもんだな、と。」
一見、クールでシャープな幸田さんの中に、実はとても熱いエネルギーが湧き続けているのを感じるコメントです。
幸田さんは、その熱いエネルギーを全力で発散することは前職のリクルートに居た時には当たり前のことだったのに、今のIT×金融系ベンチャーの組織に入った時には余り受け入れられなくて、随分苦悩した、と振り返ります。何故、あえて異文化に転職を?
「リクルートへの入社も転職で、最初から正社員として採用されたことから自信満々だったのに、最初の数年間は全く通用しなくて・・・。何でこんなに結果を出せないんだろうとくすぶり続けていました。でも、週末を返上してひたすらユーザーにインタビューをし続けていた時、自分が書いたコピーを読んで納得して動いた、というユーザーに会えて。結局自分にはこれしかない、とにかくユーザーの声を聴く、これでいいんだ、と思えたんです。」
「そこから、段々結果が出せる様になり、評価をもらって。そのプロセスを見ていた人が、誰もやったことのない仕事を自分に任せてくれる様になり、開拓して、仕事のスキームを作って、組織を作って離れる・・・そういうポジションを次々に勤める様になりました。」
「最後にやった仕事が、これから伸びる事業分野の調査。色々調べた結果、ITと金融こそやるべきだ、という結論になったけれど、それはリクルート内でやることは難しい分野だったんです。だから、外に出た。」
そのままリクルートに残っていたら、それまでに作った実績と独自の存在としての評価で、色々と自由に出来たでしょうに・・・
「それが、良くないと思ったんです。組織の中で、ポジションや給料は段々上がるかもしれないけれど、自分の成長はどうか?優秀で刺激的な仲間に囲まれて、巧なモチベーションマネジメントをされる組織風土、会社の持つブランドの高さ・・・そんな居心地の良さに甘んじていては、大きな成長ができない。そういう守られた環境の外で、新たな挑戦をするべきだと思ったんです。」
幸田さんの話を聴いているメンバーの中には、大きな組織の居心地の良さを利用しまくりの人も居て(その内の1人は私!)、耳が痛いのなんの。
こういう人財こそ、このVUCAの時代に求められる高度セルフ・マネジメント人財なんですよね。
転職で、コロナ禍で・・・どんどん進化を遂げる幸田さん。
今も、本業の周辺で個別に相談を受けたりすることが増えてきて、そのオーダーに純粋に応えることで自然に、新たな自分の領域が拡がることを感じているそうです。
特に、一番関心を持っているのは、「どんな人でも、その人が本来持っているクリエイティビティを引き出す」ということ。そのためにどういう関わり方をするか、どんなコミュニケーションを取るべきか、学んでいきたいと言います。
今後のキャリアの展望も内緒で少しお話頂きましたが、当然、安定志向は微塵も無し。
幸田さんの今後の進化からも、目が離せません。
また、5年位経ったら根ほり葉ほり、したいなー。
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